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てぬぐいの語源

2006年07月19日

手拭の語源は、たのごひ(太乃己比)で

「た」は手、「のごひ」は拭うこと。

もとは、神仏に対して、身体或は器具を
清めるものであったそうです。

てぬぐいの素材

2006年07月18日

最初の素材は、麻でした。
麻はクワ科の一年生植物で
古い時代から使われておりました。
しかし、綿は栽培されておらず、
高価で貴重な輸入品だったのです。

輸入品で高価であった綿も、
国内各地で栽培され始め、江戸時代に入ると
庶民にも手に入りやすくなり、大発展を遂げました。

てぬぐいの仕様

2006年07月17日

国内で綿が栽培され、晒木綿の反物が流通しだし、
木綿売りの行商人が、お客様の求めに応じて、
小刀で的確に切って売っていました。
いまもその時代のまま、手拭は切りっぱなしが
正式とされています。きりっぱなし.jpg

実用品の美しさ

2006年07月16日

手拭とは、巾35センチ、長さ1メートル足らずで、
端が切りっぱなしの木綿の布裂れです。
実用品でこれよりシンプルなものは、他にはありません。
しかも神聖な語源を持ち、日本の伝統を受け継いだ
すばらしいものです。

てぬぐいが滅びなかった理由

2006年07月07日

てぬぐいが滅びなかった理由は、
意匠に強烈なメッセージがこもっているからです。

高名な絵師の筆によるデザインが、
今日、残っているのではありません。
名もない職人によって下絵が描かれ、
名も残らぬ職人の手で染められた安価な手拭の数々が、
時代を超え、古びるどころか、どこかモダンな姿で、
私達の手元に残っております。

意匠 豆絞り

豆絞りという手拭の代表的な柄は、
一見すると、西洋柄の水玉模様ドットに見えます。
しかし、豆絞りを良く見ると、不揃いの豆粒が、
縦に正しく繋がって並んでいます。

それは、
子孫が途切れずに何世代も繋がっていきますようにと、
子孫繁栄の切なる願いがこもっているのです。まめ.jpg

意匠 そろばん玉

そろばん玉という柄は、
商人(あきんど)の象徴であるそろばんをモチーフに、
きっちりとそろばんの玉が、途切れずに並んでいます。

あきないに損得はつきものですが、
どうぞそろばん勘定が合いますように、
代々商売が続いて行きますように

という思いが込められています。
そろばん.jpg

暖簾切り

2006年07月06日

時は、江戸。
暖簾切りが流行したそうです。
まるで辻斬りのような物騒な響きですが、
ごく他愛のないまじないのようなものでした。
つまり繁盛している店や、評判の良い店の暖簾を、
こっそり切り取って、その福にあやかろうとしたものです。
 
流行というのは不思議なもので、
切り取られた店は、怒るどころかむしろ誇らしげに
何度も印染屋へ、暖簾の作り替えに行ったそうです。

そして繁盛してない店は、自ら暖簾を切り取って、
誇らしげにそのまま、いつまでもぼろい暖簾を
下げていたとか・・・

風水的には・・・

風水では、汚れた服を身に付けると
運気が下がると言われています。
また、季節感を出した服やしつらえをすると
運気が上がるとも言われます。

暖簾も店の服です。
屋号の白抜きの所が汚れていたり、染が褪せていたり、
破れていると運気が下がります。
それより、見た目が悪いのは、とにかく良くありません。
古びて味がでてくるのは、条件があり、大変難しいのです。
(これは、またの機会に)

季節を先取りし、四季の移ろいを暖簾で
演出する事が出来れば、大変すばらしい事ではないでしょうか。
もちろん、商売繁盛。

染裂澤田という変な名前①

糸を紡ぎ、織物にし、それを染める。
この行為が機械化される以前、
布は、大変貴重で大切なものでした。

糸にするまでの重労働は男の仕事、
紡いで織る繊細で根気のいる仕事は女の仕事。
お互いの特性を生かし、暑さ寒さを厭わず、
気の遠くなるような作業を繰り返し、繰り返し行う。
そこには手作りの、せつないほどの苦労がしみ込んでいました。

染裂澤田という変な名前② 祖母の足あと

93歳で亡くなったおばあちゃんの小引き出しを開けたら、
そこには、小さな布の切れはしが丁寧にしわを伸ばして
入っていました。
それは、若い時に着ていた着物の切れはしであり、
子供に仕立てた残布であったり、荷造りに使われた紐まで、
きれいに巻いて保存されていました。
着物に限らず、とことん使って、違うものに仕立て直し、
そして、雑巾にして、それでも残った布の集まり。
 
ものを生かして使い切る

まるで供養のような行いは、日本人として
無くしてはいけない精神だと思います。

染裂澤田という変な名前③ 抜け落ちていくもの

人手を減らし、手間を省いて効率を上げる。
たくさんできて、買いやすくなる。
それが悪いのではありません。
ただ省かれた人の手間と共に、
抜け落ちていくものがあるのです。
すぐれた職人仕事の神髄を一言でいうならば、
念には念を入れて、繰り返し繰り返しする
ことだと思います。
省かれた念を注いでいきたい。
裂はしになるまで使い切ってもらえるような商品をつくっていきたい。
その願いが染裂澤田という変な名前の理由です。