染裂澤田.homepage.jp/2006年12月

染裂澤田.homepage.jpHOME > 2006年12月

ボーイング747

2006年12月15日

能管の曲目に大癋(おおべし)という曲があります。
大癋とは、天狗の親玉みたいなもので、天空を飛翔する
雄大で、荘厳な鬼神です。
同じ様な曲で早笛(はやぶえ)というのがあり、
指使いや、音の高さは、とてもよく似ています。
能管の奥義録によれば、早笛を陽とし、大癋は陰となす、
とあります。
颯爽と急速度で出場するテンポの速い早笛に対し、
大癋は、悠然と天翔する情景を描写する為に、
ゆっくりと重々しく吹きます。しかしその速度は、
早笛よりはるかに速く、その速度は、
「囃し能わざるもの(はやしあたわざるもの)」
とされています。
極度に速いものを突き詰めれば反対に遅く見え、
非常に遅いものも、その極みに達すれば反対に速くなる。
それは、陰陽の自然の条理である。と、解りにくく
表現されています。
つまりコマが、急速に回っている状態は、一見
静止しているが如く見えるのと同じ事なのでしょうか。
でも先生は現代人ですから、そんな解りにくい事は、
言われません。先生は、どんな気持ちで吹くのかと言う事を
「高い所を飛んでいるジャンボジェットは、地上から見ると
ゆっくりに見えますが、本当は飛ぶ程速いですね。
遅いけれども、速いと思って吹きなさい」と
おっしゃられました。
さすが!とうなりました。
それからは、ボーイング747を思い浮かべて吹いております
しかし、お稽古の時
「あなたの笛は大癋ではなく、小癋ですね」
と言われ、
へこみました。

ドクロ

2006年12月13日

日本の話ばかり書いてきましたが、
洋の東西を問わず、紋章と名が付けば
本来意味の無い物はありません。
たとえば、アメリカのヘルスエンジェルスという
ツーリングクラブの紋章はドクロです。
ドクロの紋章の始まりは、中世キリスト教会の
船の証で、それを掲げた聖なる船は、
どこの海域でも中立とみなされ、攻撃を受けることが
無かったと言います。
(それを悪用したのが海賊の旗印の由来ですが)
なぜドクロかと言うと、全てを取り払った人間本来の
平等と自由、肌の色や老若男女の区別が無い、という
意味であったそうです。
反社会的な人達が、全てを取り払った自由と結束を
象徴しているのと、死神や墓石等の縁起の悪いイメージを
好むのは、自分たちは、そんなおきれいな物じゃないという
謙遜と体制側に向かって、お前達は善人ヅラしているが
本当に善か?
俺達は虫けらだけれども本当に悪か? と
問い掛けているようにも見えます。
悪人を美化する気は毛頭ありませんし
ガラの悪いツーリングクラブも大嫌いな私ですが、
この様に一つ紋章でも、正反対の使われ方をしているのは、
善があるから悪が存在し、悪があるから善が行われる
どちらか一方だけでは存在できないというパラドックス。
善悪が対立してるのではなく、一対のものである
不変の法則を示しているのだと思います。