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ボーイング747

能管の曲目に大癋(おおべし)という曲があります。
大癋とは、天狗の親玉みたいなもので、天空を飛翔する
雄大で、荘厳な鬼神です。
同じ様な曲で早笛(はやぶえ)というのがあり、
指使いや、音の高さは、とてもよく似ています。
能管の奥義録によれば、早笛を陽とし、大癋は陰となす、
とあります。
颯爽と急速度で出場するテンポの速い早笛に対し、
大癋は、悠然と天翔する情景を描写する為に、
ゆっくりと重々しく吹きます。しかしその速度は、
早笛よりはるかに速く、その速度は、
「囃し能わざるもの(はやしあたわざるもの)」
とされています。
極度に速いものを突き詰めれば反対に遅く見え、
非常に遅いものも、その極みに達すれば反対に速くなる。
それは、陰陽の自然の条理である。と、解りにくく
表現されています。
つまりコマが、急速に回っている状態は、一見
静止しているが如く見えるのと同じ事なのでしょうか。
でも先生は現代人ですから、そんな解りにくい事は、
言われません。先生は、どんな気持ちで吹くのかと言う事を
「高い所を飛んでいるジャンボジェットは、地上から見ると
ゆっくりに見えますが、本当は飛ぶ程速いですね。
遅いけれども、速いと思って吹きなさい」と
おっしゃられました。
さすが!とうなりました。
それからは、ボーイング747を思い浮かべて吹いております
しかし、お稽古の時
「あなたの笛は大癋ではなく、小癋ですね」
と言われ、
へこみました。