染裂澤田という変な名前①
2006年07月06日
糸を紡ぎ、織物にし、それを染める。
この行為が機械化される以前、
布は、大変貴重で大切なものでした。
糸にするまでの重労働は男の仕事、
紡いで織る繊細で根気のいる仕事は女の仕事。
お互いの特性を生かし、暑さ寒さを厭わず、
気の遠くなるような作業を繰り返し、繰り返し行う。
そこには手作りの、せつないほどの苦労がしみ込んでいました。
糸を紡ぎ、織物にし、それを染める。
この行為が機械化される以前、
布は、大変貴重で大切なものでした。
糸にするまでの重労働は男の仕事、
紡いで織る繊細で根気のいる仕事は女の仕事。
お互いの特性を生かし、暑さ寒さを厭わず、
気の遠くなるような作業を繰り返し、繰り返し行う。
そこには手作りの、せつないほどの苦労がしみ込んでいました。
93歳で亡くなったおばあちゃんの小引き出しを開けたら、
そこには、小さな布の切れはしが丁寧にしわを伸ばして
入っていました。
それは、若い時に着ていた着物の切れはしであり、
子供に仕立てた残布であったり、荷造りに使われた紐まで、
きれいに巻いて保存されていました。
着物に限らず、とことん使って、違うものに仕立て直し、
そして、雑巾にして、それでも残った布の集まり。
ものを生かして使い切る。
まるで供養のような行いは、日本人として
無くしてはいけない精神だと思います。
人手を減らし、手間を省いて効率を上げる。
たくさんできて、買いやすくなる。
それが悪いのではありません。
ただ省かれた人の手間と共に、
抜け落ちていくものがあるのです。
すぐれた職人仕事の神髄を一言でいうならば、
“念には念を入れて、繰り返し繰り返しする”
ことだと思います。
省かれた念を注いでいきたい。
裂はしになるまで使い切ってもらえるような商品をつくっていきたい。
その願いが染裂澤田という変な名前の理由です。